お産に対する思い

お産に対する思い、これは人それぞれ異なることでしょう。
でも、納得のいく「いいお産」をしたいという願いは皆一緒だと思います。
当院では「ひとりひとりにとってのいいお産」を皆様と共に創り上げることができるよう、全力でお手伝いさせていただきます。
大切な赤ちゃんと出会える日まで、一緒に頑張りましょう。

かつてお産は女性にとって命がけの大仕事でしたが、近代産科学の登場によりその恩恵にあずかることとなった母体と胎児は、その危険なプロセスを無事に乗り切れることが多くなり、お産は安全なものへと変化しました。
しかしながら過剰な医療介入は、一律に管理されたお産をつくり出すこととなり、お産の主体性を欠いている、との批判が高まる結果となりました。現在その反省から、女性の尊厳を重視する自然なお産が求められるようになってきています。

ただ行き過ぎた自然信仰がお産を危険なものへと逆戻りさせてしまう可能性も否定できません。
大切なことは、無駄な医療介入を慎み自然に産む力を引き出しつつ、必要となったら的確に医療介入を行うこと、要はそのバランスだと考えます。
お産は自分の子孫を後世に残そうとする生殖の一過程であり、その成り立ちからしても本来自然なものです。
当院では女性の本来有する産む力を最大限尊重し、それを引き出すよう努め、可能な範囲で自然分娩を追求しています。
一方で、自然を追い求めた結果が放置といった状態を招くことがないよう、異常が生じたら速やかに必要な医療行為を実施いたします。
あるいは異常が起きないよう、適切なタイミングで過度にならない予防医療を提供いたします。

とはいえお産は難しい。産婦人科医になって30年余、自分の持っている知識、技術、感性、経験を総動員しいつも真摯にお産に向き合い、分娩の本質を知ろうと努めているつもりですが、それでもまだ最もよいお産が何かはわからず試行錯誤の日々です。
いまだその答えにはたどり着けません。

しかしながら自然がいいか医療介入がのぞましいかを判断する産科医としてのお産の見極めについての経験値は、他の産科医に劣ることはないと自負しています。
当院を選んでくださった皆様に対し、まっさきに自分が還元することが出来る産科技量であり、自信と矜持をもってこれを提供しています。

今後も、科学の力では及びもつかない、自然の至妙さ、巧妙さを尊重しつつ、一方で自然の怖さをあなどらず、謙虚にお産に向き合っていきたいと考えています。

お産が済んだ日の夜、「いいお産ができた」と振り返っていただけるようなお産が提供できたら、望外の喜びです。